世界中で人気の「sous-vide」

食材をやわらかく、旨味を閉じ込める

焼く、蒸す、煮るに次ぐ第4の調理法とされる真空調理法。これは専用の調理器を使うことによって、コンロの火を使わずに湯を循環させながら60度前後の低温で食材をじっくりと加熱するというもの。低温で調理するため、肉や魚のタンパク質が固くならず、食材を柔らかいまま調理できるうえ、食材本来のうま味やビタミンなど多くの栄養素を逃さずに食べることができます。食材の栄養を丸ごと食べられて、調理のプロセスで油を使わないので、健康面でも注目度は上昇中。日本よりもむしろ世界中で先に人気を集めた調理法なのです。

実は、低温調理器というのは日本独特の呼び方なのだとか。この調理法の起源であるフランスでは「sous-vide」(真空調理)と呼ばれ、英語でも「vacuum cooking」と呼ばれます。つまり、この調理法は「低温で調理する」ことよりもむしろ「真空で温度をコントロールする」というところにポイントがあるのかもしれません。

もともとは、欧米のフレンチレストランなどが真空パック専用の大きな機械を厨房に設置して行っていました。それが、日本国内では大手のファミリーレストランや居酒屋チェーンなど、セントラルキッチン方式を採る店が、料理に時間が掛かる煮物料理などを中心に美味しく作れる調理法として採用したことで広まったとされています。